小さな水引草と折られた彼岸花
今日は雨。これは昨日の昼どきの話。久しぶりに裏山の水場に行ったが、蝉の鳴き声ばかりで、野鳥の気配を感じない。ただ、すぐ真下に小さな水引草が咲いていた。赤にも見えるし、白にも見える。ご祝儀袋の飾り紐である紅白の水引から、この水引草の名前が付けられたという。そして、裏山からの帰り道、ツインの彼岸花が咲いていて二つ並んで仲が良さそうだ。
ところが、お寺の境内を通りかかると、出入口の彼岸花が折られているではないか。ちょうど赤い橋が彼岸花のバックに写る場所である。せっかく咲いている彼岸花をどうして折るのだろう?と思っていたら、ある人が「他人に同じ写真を撮らせないためだよ」と話していた。この時期になると、バックに美しい橋や池を配して彼岸花の写真を撮る人が増える。もしその言葉が本当だったら、とても悲しいことだ。お寺の境内だから、今頃大きなバチがあたっているかもしれない。そんな人には小さくても温かい水引草は見えないに違いない。