春らんまん、目は桜、耳はウグイスなり!
近所の桜並木が満開だ。ジンダイアケボノという名の桜で、ソメイヨシノに比べると少しピンク色が濃い。この桜をみるとようやく春を感じるのだけど、それは目だけの話。春を耳で感じるのが裏山のウグイスだ。まだまだ上手なさえずりとは言えないけど、桜を観ながらウグイスの声を聞くというのはまさに春らんまんである。
ウグイスを探しに裏山に出かけた。裏山の広場を囲んで方々でウグイスが鳴いている。もちろん、声はすれども姿は見えずだ。その中の一羽が近くで鳴き始めた。しばらく観察していると、緑の新芽の向こうにとまった姿が見えた。藪に隠れてばかりのウグイスだけど、たまに出てきて鳴いてくれることもある。次は桜にとまったウグイスを・・なんて思ったけど、春のかすみに見果てぬ夢となりそうだ。
若葉の中で大きな口をあけてさえずるウグイス。
やっぱり鳴き声を聞きたくなる。あまり上手でないさえずりも可愛らしい。
ジンダイアケボノという名の桜。ソメイヨシノよりもピンク色が濃い。
新芽の中でさえずるウグイス。
枝がスイングするブランコのようだ。そこで鳴くウグイスの姿も珍しい。
今年は桜カワセミ → 桜ウグイスと桜スズメ
桜ウグイス:もうすぐ終わりの桜でさえずり始めたウグイス
ウグイスの地鳴きとさえずりの顔を比べると
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鎌倉を去ることになった時政が、外でチャッチャッと鳴く鳥の声を聞きながら息子の義時にこう説いた。
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そこで興味を持ったのが、地鳴きとさえずりでウグイスの顔が違うのか、ということだ。今日は裏山の水場でウグイスが地鳴きをしながら水浴びに来た。同じ個体のウグイスでないと比較はできないが、まあそれはおいといて、地鳴きとさえずりの2枚の写真を見比べてみた。
オスのさえずりは求愛と縄張りの主張、つまりメスを誘惑したり他のオスをけん制したりするためだ。時政がりくの前で調子のいいことばかり言っているときの顔で、相手の顔色を伺いながらの顔だ。それに比べて地鳴きは「私はここにいるぞ」とメッセージを発しているので、普段の自分の本来の顔だろう。時政であれば仏頂面でわがままな顔になるかもしれない。
そんなことを考えながら、下の写真で地鳴きをしているウグイスの顔をみていると、何かとても素直な顔に見えてくる。ちょっと臆病で小心者のような気もする。それに比べて、さえずるウグイスは胸を張って堂々とした顔に見えてくる。普段は小心者でもいざとなると大胆な行動ができるのか。いやいやきっと無理して大物に見える演技をしているのかもしれない。
てなことを考えるのも、週末の楽しみだ。
「チャッチャチャチャ」と地鳴きをしながら水浴びに来たウグイス。
「ホーホケキョ」と大きな鳴き声で高らかにさえずるウグイス。今年の5月の写真。