香箱ガニと紅葉を求めて金沢へ
金沢に酔八仙という海鮮中華の店がある。店構えは普通の中華料理屋さんだけど、23年も通っているお気に入りの店だ。シェフの創作料理を味わうために、年に1回は金沢まで通っている。この時期は香箱ガニを使った料理がメインだ。今回は中華風の酢の物と甲羅入り茶碗蒸しだった。
酔八仙はほとんど地元の人しか来ないのであるが、兼六園をはじめどこもかしこも人ばかりで、落ち着いて紅葉を楽しめるどころではなかった。海外からの団体客も多い。ただ、曇り空の日曜の朝、室生犀星で名高い犀川に散歩に行くと誰もいない。土手沿いの桜木の葉が赤銅色に紅葉していた。その渋さが犀川の旅情をそそる。雨が降り出し、結局兼六園や金沢城の紅葉を見ることもなく帰ってきてしまったが、紅葉は美しい「もみカワ」を待つことにしよう。
室生犀星が愛した犀川のほとり。
土手沿いに赤銅色に紅葉した桜木が並ぶ。
香林坊の武家屋敷に行くと、フランスからの団体客でごった返していたが、写真で一瞬を切り取ると、静かな佇まいのお庭になる。
香箱ガニの茶碗蒸し。茶碗のそこに甲羅がある。