オナガは「いただきます」と思ってアオムシを食べる
この時期になるとオナガが群れで裏山にやってくる。若芽の芽吹いた大きな木にとまり、枝から枝に飛びながら若芽めがけて口ばしをのばす。最初は若芽を食べているのかと思ったけど、よく見ると小さなアオムシを食べている。アオムシが若芽を食べ、そのアオムシをオナガが食べる。大切な自然界の食物連鎖だ。
人はご飯を食べるときに「いただきます」と言う。肉でも魚でも野菜でも、あなたの命をいただきますという意味だ。大切なあなたの命を自分の命に代えさせてもらうという感謝の気持ちである。さすがにオナガやアオムシは「いただきます」とは言わないけど、きっと自然の生態に感謝していると思う。
司馬遼太郎の「21世紀に生きる君たちへ」の一節に「・・・自然物としての人間は、決して孤立して生きられるようにはつくられていない。このため、助け合う、ということが、人間にとって、大きな道徳になっている・・・」と。また、ネイティブ・アメリカンの名言に「草木は兄弟であり姉妹だ」と。つまり、人間は自然の一部だし決して奢ってはいけないということだ。「いただきます」という言葉のない多くの国の人びとに、このことを理解してもらえればと思う。
小さなアオムシを捕まえた。
大きな幹にとまっていたと思ったら、
急に飛び上がって
これまたアオムシを捕まえた。