北海道でなくても可愛いエナガの幼鳥
北海道のアイドル的な野鳥というとシマエナガの話になる。頭が白いので、雪の中だと真っ白な雪の妖精が宙を舞っているように見えてしまう。北海道では身近な野鳥だ。
もちろん、横浜でもエナガの群れによく出会うし、頭は真っ白ではないけど、もこもこ頭にクリクリ目の可愛さは同じだ。そしてこの時期になると幼鳥が群れの中に登場する。成鳥の背中は少しピンク色だけど、幼鳥は茶色っぽい。特徴的なのが目の周り(アイリング)で幼鳥は赤い。写真でよくみると、赤から少し成長して黄色っぽくなった幼鳥もいる。ちょこちょこ動いてなかなか写真を撮りずらいのだけど、可愛い一群に会うのもこの梅雨の合間の楽しみに一つだ。
成鳥になると背中がピンク色っぽくなる。
水場の常連になって欲しいエナガたち
夕陽を浴びて登場するエナガたち
暑さボケなのか、エナガがシマエナガに見えてしまう
僕のあの帽子、どうしたんでせうね?
先日、エナガが後生大事にくわえていた綿(のようなもの)を落としたシーンをみて思い出したのが、「母さん、僕のあの帽子、どうしたんでせうね?」というフレーズである。1977年の映画「人間の証明」に登場する西城八十の詩の一節だ。その後で「母さん、あれは好きな帽子でしたよ、僕はあのときずいぶんくやしかった」と続いていく。
映画の中では、ゆらりゆらりと麦わら帽子が谷底へと落ちていく。当時はポスターにもなり、今でも目に焼きついている。同じように、エナガのくわえていた綿もゆらりゆらりと落ちていく。そこから「エナガもきっとくやしいのだろうな」なんて、エナガに同情してしまった。
後生大事に綿をくわえている。巣を作るための材料なのか。
さて「次は何を集めてくるか」と花の散った梅の木で思案しているエナガ。